最初のページ作成:1999.11.13
マザーボードの情報追加:1999.12.11
マザーボードのジャンパー情報追加:1999.12.23
ジャンパー、HDD情報追加:2000.1.5
8.4GB以上のHDDに対応確認追加:2000.1.20
若干の補足追記:2001.4.7
更新: 最終訪問: 訪問者:人
■今となっては遅い処理速度Aptiva E21、このIBMのマイクロタワーマシンは、昨年Win98が発表時の'98年7月に発売されたK6-2 266MHzが搭載されたモデル。CPUがK6-2 300MHzだけの違いだけのAptiva E31というモデルもあった。 このマシン所有者から「速度が遅くて・・・・CPUを交換できないか?」と相談を持ちかけられたときから話は始まった。現在数万円で入手できる激安モデルの処理速度よりも遅いのは確かで、時代の進歩は非常に早い! このページでは、Aptiva E21/E31がどこまでのクロックのCPUに耐えられるかの可能性を探るために資料をまとめた。そして最終的にはCPUとマザーボードを交換した改造をまとめてみた。 ■搭載されているマザーボードはどこまで使えるか
・搭載マザーボードの詳細さっそくケースを開けて中身のチェック。チェックする一番の項目はマザーボード。 使用されているものは、台湾ACER社からのOEMで「V70MA」というモデル。FSB100MHzに対応したALI社「Aladdin V」チップセットを搭載しULTRA DMA33にも対応しており、オンボードでATI 3D RAGE Pro Turbo(AGP,1x,2MBビデオメモリ)、Crystal社サウンドチップを搭載している。 基板フォームファクタは、ねじ穴や大きさはマイクロATXと同じなのだが、マイクロATXとはUSBコネクタとマウス/キーボードコネクタの位置が逆でサウンド入出力/ゲームMIDIポートのコネクタ位置が若干ずれている。
ACER社のOEMの場合、ACER社のドイツのサイト ftp://ftp.acer.de から、OEM向き製品のドライバーやBIOS、そしてマニュアルなどが入手可能(富士通や日立もACERのOEMをよく使っている)。このサイトを調べたところ、ftp://ftp.acer.de/pc/v70ma/ に「V70MA」の詳細なPDF形式のインストールマニュアル等を発見。ACERのマザーボードの場合、OEM先に合わせてカスタマイズしていることもあるので注意が必要。 IBMのほうでも各種サービスマニュアルが http://www.pc.ibm.com/us/cdt/hmm.html#aptiva からダウンロード可能。 この機種用のPDF形式のマニュアルは ftp://ftp.pc.ibm.com/pub/pccbbs/aptiva/2139-53.pdf で、マザーボードの詳細な説明も得られた。 マニュアルを見ていて気が付いたことだが、このマザーボードにはシリアルポートCOM1があることになっている。しかしマザーボード上を見渡すとCOM1用のインターフェース関係の部品が実装されていないため使うことはできない。COM1は最初から実装されているモデムカード用ということなのだ。他にもマニュアルと実際のマザーボードと若干の異なりが見られる。 以上の情報をまとめると、このマザーボードが動作保証しているCPUはK6-2 350MHzまでである。 ・このマザーボードはどこまでのCPUに交換できるか動作保証されていない最新の350MHzを越えるK6-2やK6-2+、K6-3に交換はできるだろうか。結論から言うと、実際にはK6-2 の場合のみ、400MHzはもちろん、450MHzやK6-2 500MHzでも動作はしているようだ(hachiさん、はらさん、ROCの掲示板でK6-2 500MHzや400MHzでの動作報告ありがとう)。 しかし動作クロックの高いCPUは、消費電流が増えるためにマザーボード上のレギュレータ回路の許容量を超える可能性があり、最初は動作していても長期間のうちに最悪レギュレータ回路を焼いてしまうかもしれない。
BIOSは、昨年の1998年11月に「V70EN2B」へのアップデートがあり、登録ユーザーにはIBMからAGP/バスマスタドライバと共に郵送されており、IBMのサイトのftp://ftp.ibm.co.jp/pub/pccsvc/aptiva/v70en2b/からもダウンロードできる。少なくとも大容量のHDDに対応させるためにもV70EN2Bにはアップデートしておいた方がいいだろう。 以後IBMはBIOSのアップデートを行っていないのでそれ以降発表された最新CPUを認識しない可能性がある。高クロックK6-2の場合は、ほとんど問題にしなくてもいいようだが、BIOSが動作クロックを認識しない点がある。ただし、K6-2+ や K6-3 の場合は、CPU内蔵キャッシュメモリ構成が異なっているのを認識しないため完全に動作不可能ということが起こるようである。
高クロックでの動作もできるようだが、安全動作するのは保証されているK6-2 350までなのには違いない。しかしこれに載せかえしたとしてもそれほど処理速度が上がったようには感じられないのではないか・・・・・・。
・このマザーボードが対応するHDDIDEのHDDは最初は528MBまでの容量にしか対応していなかった。その後に拡張されたIDE規格(エンハンスドIDE)となり528MB以上に対応するようになった。528MB以上に対応するようになっても、BIOSによっては2.1GB、4.2GBでうまく認識できない場合がある。さらに大容量化してきたHDDは、8.4GBを壁として、最近では32MB程度で新たな壁としてそれ以上がうまく認識しないことが起こっている。この問題が起こった場合はBIOSを新しいものに入れ替えて対応させる必要がある。 また現在新たに発売されているHDDはULTRA DMA66という高速データ転送ができる規格に対応している。今までのULTRA DMA33やDMAに対応していないインターフェースにそのままつないでもほとんど問題なく動作することが多い。場合によってはうまくいかないことも起こるようで、その場合は従来のインターフェースに対応させるユーティリティが各HDDメーカーのサイトからダウンロードできるのでチェックするといいだろう。 ではこのマザーボードV70MAではどうだろう。私のところでは8.4GBのHDDはまったく問題なく使えているし、寄せられた情報によれば13GB程度で換装された例もある。少なくとも8.4MBの壁はクリアーしており、32MB程度までは認識すると考えられる。それ以上は・・・不明である。データ転送はULTRA DMA33にしか対応していないが、今のところULTRA DMA66のHDDで問題なく使えており、他にも問題が起こったという話は聞いていない。なお、BIOSをV70EN2Bにアップデートしていないと8.4GBの壁はクリアーしないかもしれない。
■マザーボードとCPUの選定所有者と相談の上、高クロックのK6-2に交換しただけでは根本的に処理速度を上げることは望めないために、安価で高性能なCPUであるCeleronとそれ用のマザーボードに交換した方が確実であるということになった。 上記で述べたように、最初から搭載されているマザーボードがリアのコネクタの位置が若干異なるだけでマイクロATXとほぼ同様なので、若干ケースのリアパネル加工だけで交換は可能である。 交換に使った部品は次のものを使った。マザーボードがマイクロATX型のASUS社 MEW-AM というCeleron用マザーボード。チップセットは810-DC100でチップセットに搭載されたビデオカード機能(4MBのビデオメモリ)、Crystal社のサウンドチップを搭載する。マザーボードはマイクロATXのものであればほとんどのものに交換に使える。CPUはCeleron466。それぞれ、\14000少々と\10000少々で、通販だったので送料消費税で\26000少々程度。 ■入れ替え作業一部ケーブルの交換やコネクタの簡単な加工が必要だが、マザーボードの入れ替える作業。リアパネルの加工して取り付ければ完璧だが、見栄えは悪くなるが取り付けなければ非常に簡単な作業た。 ・元々のマザーボードの取り外し手順
・新しいマザーボードの取り付け手順
■Windows98のインストールハードウェアが大幅に異なるために最初からインストールすれば問題ないのだが、元からインストールされているままで起動して、必要なドライバー類を組み込むことにした。ドライバー類はMEW-AM付属のCD-ROMに入っている。
新しいマザーボードでうまく動作しているかの確認として、コントロールパネルのシステム、デバイスマネージャで「不明なデバイス」や正常に動作していないデバイスがないか確認してやる。OKならwindows98は正常に動作しているはずだ。 最後に使われているHDDがULTRA DMA33に対応しているので、デバイスマネージャでHDDのプロパティの「DMA」にチェックを入れてやる。HDBENCHというベンチマークテストプログラムではここにチェックを入れるのと入れないのでは転送速度に倍ほどの違いが確認された。 ■新しいマザーボードでの動作celeron466マシンと変身したAptiva E21を実際に動作させてみると、確実に早くなってキビキビ動いてくれる。しかし今までに自作した同クロックのceleronマシンと比較すると起動時に遅く感じられてしまう。Win98をクリーンインストールしなかったこともあるが、元々使われていた4GBのHDDがQuantam社のBig Footという5インチタイプのもので、意外と低速であるということもあるだろう。今回のマザーボードはULTRA DMA 66のHDDにも対応しており、これに変えてWin98をクリーンインストールすれば早くなるのは確実だ。 後のお楽しみとしてクロックアップをやってみた。マザーボードのクロックジャンパーをいじって75MHzx7倍の525MHzではうまく動作しなかったが、70MHzx7倍 490MHzでは完全に動作した。 IBMロゴの下にCeleronのエンブレムが光るAptiva E21■最後に持ち主には新しく生まれ変わったAptiva E21マシンを手渡し、安価に高速化できて喜ばれている。 この改造をすることによってメーカー保証はなくなるので注意してほしい。同じ改造はCPUのみが異なるAptiva E31でも可能だ。 取り外された元々のマザーボード、CPU、そしてモデムカードは・・・・・・私の手元に残った。というより改造のための謝礼と言おうか報酬と言おうか。 これを使って手元にある他のパーツと組み合わせてさらにマシンが増殖した。 それは普通のものを作っても面白くないので昔のパソコンのケースに組み込んだものだ。 NEC PC8801mk2SRのケースにAT互換機を組み込むのページ、 その後に組み込み直して Mac Quadra 650のケースにAT互換機を組み込むのページで公開しているので見てほしい。 |
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