'99.5.15 : 一部パーツを入れ替えたので内容を変更、リンクの追加
昔、愛用していたパソコン、捨てられずに眠っている物も多いことでしょう。ケースと電源を残して中身を追い出し、AT互換機に作り替えてしまいましょう。思い出深いパソコン、ほとんど外見のみしか残っていないとは言え、Windows98が動き出したときには感動ものです。以下ではPC9801VM2の例ですが、他の機種でも応用が利くでしょう。
前々から往年の名器であったPC9801VM2、以後のPC98シリーズの標準的な機種となってベストセラーであった。私も長い間そのユーザーではあったが、Windows3.1の時代となってからはお蔵入りとなってしまった。 改造が終わったマシン このケースにAT互換機を組み込もうと考えたことがあるが、次の問題点がある。
私の友達でも改造を試みて、AT電源に交換したり拡張スロットのフレームを別のAT互換機から取り外した物を取り付けたりしていた。が、どうもケース加工が大変で少々金もかかるので、私は躊躇していた。 そんなとき、次の2つのページをWEB上で発見した。 http://www.portnet.ne.jp/~s-suwa/fmvinpc98.html それぞれ古いPC98にAT互換機を組み込む改造についてかかれているもので、1つめは、電源の仕様の違いの克服、2つ目は実際の電源の改造についてとケース加工について参考になった。これらを参考にすれば手間だけでほとんど金もかけずにVM2にAT互換機を組み込めそうである。
PC98電源はAT電源と比べて次の点が異なっている。
1の電源コネクタについては付け替えればいい。2は、右の回路のように3端子レギュレータを使えば簡単に作り出せる。(-5Vはなくても動くらしいが未確認) PGについては友達の間でも如何なる信号かがわからずにAT電源に交換している例も見られた。先に紹介したページでは下図のように抵抗とコンデンサで簡易的にPG信号を作り出しており、これで電源についての問題は解消である。 上記の回路を内蔵し、改造を施した終わった電源は左の写真である。右の2つのコネクタはマザーボードに電源を供給する電源コネクタで、元の電源コネクタを切り取って付け替えてある。真ん中はFDDやHDDに電源を供給するコネクタで追加してある。左は元から付いているコネクタである。電源を分解して改造するのが面倒な場合、元から出ている電源ケーブルに回路を追加してAT用電源ケーブルを取り付けるのもよいかもしれない。 ← 改造した電源 参考までに、PC98とATの電源では次のようにケーブルが色分けされており、信号がわかるようになっている。(異なっているかもしれないのであくまでも参考程度に)
せっかくPC9801VM2に中身を組み込もうとしても、肝心のマザーボードが入らなければ話にならない。私が使ったマザーボードは、過去に使っていたASUSのP/I-P55TP4Nというもので、2/3ベビーATタイプである。最近主流のATXタイプは電源やフレームが干渉してしまうために入れるのは無理で(電源も対応した改造が必要だが)、ATタイプでも大きめの物は不可能なので、改造前に確認しよう。 メモリも背の高いものは、フレームや電源に干渉してしまうことがあるために確認した方がよい。強度的には落ちるが、干渉してしまう場合は、ファイルベイを残して後ろの部分のフレームを切り取る必要があるかもしれない。幸いなことに私のメモリは上のフレームとの間は2mmぐらいの隙間があって大丈夫だった。 マザーボード上のメモリは、フレームとギリギリの隙間!! → ← 拡張スロット部。L形の金具を上に取り付け、下は一直線に穴を開けている。この写真では見えていないが、補強する意味で背面に元々の拡張スロットの蓋を付けている。 拡張スロットの加工である。上部のカード取り付けネジの部分は、L形の金属板を用意して元々の拡張スロットのネジ穴を利用して取り付けた。カードの取り付けネジ穴は、小さめドリル刃で開けネジをねじ込むことでセルフタッピングとした。下部のカードの固定穴は、個々に開けるのが面倒なのでハンドニブラを使って、まとめて一直線に開けてしまった。下はマザーボードをかさ上げすれば開けなくてもよい。他にはカードを取り付けるときに邪魔になる背面パネル部分も切り取る。 FDDはディップスイッチの窓に取り付け、スピーカや電源ランプは接続コネクタのみ交換、リセットスイッチは交換してボタンのみ再利用 → CD-ROMやHDDの取り付けは、元々の5インチベイを使って取り付けた。HDDは5インチベイ用リームバルパックを使っている(ノートパソコンから取り外した2.5インチHDDを2台を、パック内にコネクタを追加して、さらに変換コネクタを使って入れている)。FDDは、ディップスイッチの窓に取り付けるべく、底板に固定ネジ穴を開け、全面パネルのプラスチップや金属をくり抜き、蓋もそのまま残すことにしてFDの取り出しボタンが引っかかる部分のみ切り取った。FDDを5インチベイ変換アダプタを使って取り付け、HDDを底板に取り付けてもいいだろう。 電源ランプや、スピーカは、元々のものをそのまま利用して、マザーボードへの接続コネクタのみ付け替えた(実際に電源ランプのコネクタはそのままで、強引にマザーボードに接続している)。HDDランプは、今回使ったHDDのリムーバルパックにHDDのアクセスランプがあったために用意しなかったが、付けたい場合は穴を開けて取り付ける必要がある。 リセットスイッチは、元々のスイッチを基板ごと切り出して使おうと思ったが、マザーボードに当たってしまい不可能だった。仕方ないので、レバーの長いタクトスイッチを穴あき基板に半田付け、元々のプラスチックのリセットボタンをはめ込み、全面パネルにネジ止めした。もちろんこれもマザーボードへの接続コネクタを取り付けた。 ← 背面パネルへのコネクタ取り付け。自作マウスコネクタは元キーボード穴に。他のコネクタもサブパネルを使うときれいにまとまるだろう AT型マザーボードなので、シリアル、パラレル、そしてマウスのコネクタを背面パネルのどこかに取り付けなければならない。マウスコネクタは、丸いネジ固定タイプのミニDIN6ピンコネクタにケーブルやコネクタを付けた物を自作して使っていたが、これがちょうど元キーボード穴に固定できた。一般的には拡張スロット用のマウスコネクタを使うといいだろう。 シリアルとパラレルのコネクタは、拡張スロットの開いているところにに金具付きで固定したが、背面パネルで使われずに開いているところにサブパネルを作って取り付けてやると開いたままの穴も埋まるのできれいにまとまるだろう。 マザーボード上のキーボードコネクタは、特に背面パネルを加工しなくても抜き差しが可能だった。 マザーボードの固定は、しっかり固定すればいいのだが、面倒なので2つだけ穴を開けてネジ止め、後はプラスチックの固定具の下の部分を切り取って底板との間に挟んだだけである。 完成したマシンの背面パネル。思ったよりもうまくまとまった → ここまで行けばいろいろな加工も終わり、後は組立だけである。組立は普通のAT互換機と同じだが、順を考えないとうまく取り付けられないことがあるので注意する。 ↓ 完成したマシンの内部。きれいに入ったので我ながらほれぼれ・・
完成したVM2型AT互換機の仕様は次のとおり。
私のようにNECのPC98をAT互換機化しているページを紹介します。リンクはトップページに張っています。 '99.5.15 しーど君の工作記 http://member.nifty.ne.jp/SEED/ '99.5.15 MACKY's Home Page http://member.nifty.ne.jp/-macky-/ '99.5.15 Welcom to Wind & Wave home page http://www.portnet.ne.jp/~s-suwa/
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