Mac Quadra 650のケースにAT互換機を組み込む

最初のページ作成:2001.9.27
CD-RWドライブ(R x8, RW x4)搭載:2001.10.2
※I/O別冊『[目的別]最強パソコン構築ガイド』(工学社2002年4月25日発売)に記事として掲載

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■AT互換機化の楽しさ

PC9801VM2のAT化PC8801mk2SRのAT化、ここまでいろいろ改造してきた私としては違う機種もやりたくなる。
そうだ! 僕にとってはまったく使用したことがない Mac もAT互換機化の対象にしてやろうではないか!

この写真を見よ! Mac Quadra 650 が IBM のロゴとともに起動しているのが見えるはずだ。 ・・・・そうこれは IBM の Aptiva E21 のMB(マイクロATX・・・・後部のコネクタ類の位置が若干異なるが、ネジ穴はまったく同じ)を入れてWindowsが動作するPCとして生まれ変わった姿なのだ。

現在のスペック(2001.10.2)
K6-2/350(400MHz動作)
128MB メモリ
10GB HDD
CD-RWドライブ(R x8, RW x4)
3.5インチFDD
ビデオ ATI 3D RAGE Pro Turbo(オンボード)
Crystal社サウンドチップ(オンボード)
10/100BASE LANカード

■改造の手順

さて改造された手順を追ってみよう。餌食となった Mac Quadra 650 のケースは1年以上も前、\100で中身がない状態で買ったきたものだ。私自身、Macをまったく使ったことがないのた。

・リアパネルやシャーシの加工

プラスチックのリアパネルを強引に取りはずして、金属のシャーシと分離する。何カ所もプラスチップを溶かして固定しているところは削って取り除き、2カ所ほど特殊なネジ頭のタッピングビスで固定されているところはペンチで強引に回して取り除く。シールド用の薄い金属板は使わないので取り除く。再びリアパネルを取り付けるには、+のタッピングビスを別に用意して、2カ所固定してやればよい。

加工だが、不要なところやじゃまになるところは切ったり取り外す。底板についている基板固定用のプラスチックも上部を切れば新たに使うMBの絶縁用に使える。MBの固定用には2つの穴をあけて(多いほど良いが)、プラスチックスペーサとネジを取り付けた。

・フロントパネルの加工とイジェクトボタン

AT互換機で使われる一般的なFDDおよびCD-ROMドライブを使えるように工夫する。フロントパネルのMacらしいイメージをなるべく損なわないように苦労するところだ。ボールペンの使い切った芯を適切な長さに切って、 元からある強制イジェクトの小穴を広げて差し込む。そして裏にボールペンのスプリングを適切に切って入れてやり、 裏表から熱でつぶしてやる。これでイジェクトボタンのできあがりだ。(上の赤丸がFDDのイジェクトボタン、下の赤丸がCD-ROMドライブのイジェクトボタン)

さらに元のCD-ROMドライブのトレーが出入りするスリットでは細いので、削ったり、切ったり、接着したりなどの 加工してやった。これで十分に一般的なCD-ROMドライブのトレーが出入りできるようになった。スリットが広がりすぎた感がしないでもないが、まあ許せる。(上の写真、四角の囲み)

今回のCD-ROMドライブは、下左図のようにイジェクト穴とCD-ROMドライブのイジェクトボタンの位置が合っていたので楽だった。こういうドライブは少ないようで、一般的なドライブは下右図のようにズレが生じる。裏を単純につぶすのではなく、L字形につぶしてやる必要がある。

・LEDとスイッチの加工

元から電源表示のために透明なプラスチップが付いている。この後に2つの2色のLEDを接着して、電源が入れば緑色、HDDのアクセスがあればオレンジ色(実際には赤色と緑が混じる) となるようにしてやる(下の写真、左上)。オーディオの入出力らしい穴には、リセットと電源用のスイッチ2つをユニバーサル基板に半田付けしたものをネジ止めしてやる。そして線やコネクタ類を取り付ける(下の写真、上中央)。スピーカにもコネクタを付けなおしたが、今回のMBにはスピーカが付いているので未使用だ。

・組み立て・・・残りの加工

後は組み立ててやるだけ・・・・

実はまだ加工箇所の紹介が残っていた。拡張スロットは適当な金属板て押さえつけて、リアパネルに穴をあけてタッピングビス2本で固定している(下の写真、四角の囲み)。FDD、HDD、CD-ROMドライブ、電源が載る上部の金属板は、電源が載らなかったために一部切断している。FDD、HDD、CD-ROMドライブの固定するための金具がなかったために金属板を加工して作った。固定するときは、先に作ったイジェクトボタンに合うように位置決めする。電源は一般的なATXの250Wのものを使用して、元からリアパネルにある小穴に長めのタッピングビス1本で固定している。

組みあがった全貌だ。リアパネルで赤丸にしてあるネジが電源を固定しているもの。

どうだ!! FDDもCD-ROMも”ボールペンの芯”で取り出せるでは ないか!!

■OSのインストールと使用感

Windows Me をインストールするが、さすがにチップセット、サウンド、ビデオ、さらにはLANカードまで自動的にドライバ類が組み込まれてしまった。高速化を図るにはチップメーカーのドライバを組み込むと良いのだろうが、問題なく使えている。

Macの顔をあまり損なわないで、そして手持ちの部品ばかりで”タダ”でPCが完成したことは非常に満足だ。やはり”ボールペンの芯”によるイジェクトボタンは我ながらの良いアイディアだと自負している。このPCでWindowsが動いているのは非常に妙な気分である。Macのエミュレータを動作させたり、WindowsをMac風にカスタマイズすれば面白いのだろう。

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※今後も別のケースでPC化をはかろうと・・・実はプレィステーション2の壊れたもの、そしてジャンクで入手したペンティアム2 266MHzのノートPC、これを合体させようとプロジェクトは始まっている・・・

■その後の変遷

・2001.10.2 CD-RWドライブ(R x8, RW x4)搭載

PC8801mk2SRをAT互換機化しているPCから取り外したCD-RWドライブ(R x8, RW x4)を搭載した。イジェクトボタンの位置が左にずれているために、イジェクトボタンにしているボールペンの芯を作り替えた。後側のボールペンの芯を長めにして、折り曲げるようにして熱でつぶしてやる。これでうまくCD-RWドライブのイジェクトボタンとうまく合うようになった。CD-RWドライブが内蔵されるとさすがに便利だ。


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